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採用戦略

採用とは何か

定義・日米の変遷・全手法の構造・自社はどのフェーズにいるか

18分

採用とは何か — 定義・日米の変遷・全手法の構造・自社はどのフェーズにいるか

採用とは、組織が必要とする人材を見極め、迎え入れる行為です。しかし、その「見極め方」も「迎え入れ方」も、この100年で根本的に変わりました。

本稿では、採用の定義から、米国と日本の採用がたどってきた変遷、現在利用可能な主要な採用手法の全体像、そして「自社は今、どの採用フェーズにいるのか」を診断する視点までを、一本の記事で整理しています。多くの採用手法は米国で生まれ、5〜15年の時差をもって日本に導入されてきました。米国の変遷を知ることで、日本の採用がこれからどう変わるかの見通しも立てやすくなります。

個別の採用手法を深掘りした記事群への導線も兼ねていますので、関心のあるテーマから読み進めていただくこともできます。

なお、ここで述べる内容は一般的な傾向の整理であり、HCM(人的資本経営)における最適解は、事業形態・規模・経営戦略・人財戦略・担当領域・担当者によって異なります。自社の状況に照らしながら読んでいただければ幸いです。


採用とは — 「採る」の本質と、その意味の変遷

採用とは、企業や組織が事業遂行に必要な人材を選考し、雇用関係を結ぶ一連のプロセスを指します。英語では「Recruitment(募集・採用活動全体)」と「Hiring(採用決定・雇用)」が使い分けられますが、日本語の「採用」はこの両方を包含しています。

ただし、採用の「意味」は時代とともに変容してきました。

かつての採用は「人員の補充」でした。退職者が出たから埋める。事業が拡大したから増やす。「椅子が空いたから座る人を探す」という発想です。この時代、採用は管理部門のオペレーション業務であり、経営の中核的な議題にはなりにくいものでした。

この構造が変わり始めたのは、2000年代以降です。知識経済化の進行と労働人口の減少により、「誰を採るか」が企業の競争力を直接左右するようになりました。McKinseyが1997年に提唱した「The War for Talent(人材獲得競争)」というフレーズは、この構造変化を端的に表現しています。以来、採用は人事部門の実務から経営の意思決定事項へと、位置づけそのものが変わり続けています。

近年ではさらに、採用を「タレントアクイジション(Talent Acquisition)」と呼び替える企業が増えています。これは単なる英語への置き換えではなく、「欠員を埋める」から「事業戦略に必要な人的資本を獲得する」への概念の拡張を意味しています。

Wharton SchoolのPeter Cappelliは2008年の著書 Talent on Demand で、サプライチェーン・マネジメントの原理を人材管理に応用し、採用を「予測不能な需要に対する供給設計」と再定義しました。San Francisco State UniversityのJohn Sullivan教授はさらに踏み込み、「上位5%の従業員が組織のアウトプットの26%を生み出す」というデータを示し、採用のKPIを「何人採れたか」ではなく「採用の質(Quality of Hire)」で測定すべきだと主張しています。採用を人的資本経営の入口として捉える視点は、こうした議論の延長線上にあります。

Stage 1〜1990年代

人員補充

Workforce Replenishment
視点
管理部門のオペレーション業務
問い
誰で欠員を埋めるか
KPI
採用数 / 欠員充足率
経営との接続
Stage 22000〜2010年代

戦略的採用

Strategic Hiring
視点
経営の意思決定事項
問い
誰を採れば競争力が出るか
KPI
採用の質 / 入社後パフォーマンス
経営との接続
Stage 32020年代〜

タレントアクイジション

Talent Acquisition
視点
事業戦略との接続
問い
事業に必要な人的資本をどう獲得するか
KPI
Quality of Hire / 人的資本指標
経営との接続
図 採用の意味の変遷 ── 「人員補充」から「タレントアクイジション」へ、約100年の変化

実践者としての補足: 私たちがさまざまな企業の採用に関わる中で感じるのは、「採用」という言葉の定義が社内で共有されていないケースが意外に多い、ということです。経営者は「事業を作る仲間を探す」と思っている。人事部長は「採用計画を達成する」と思っている。現場マネージャーは「今の業務負荷を減らしてくれる人が欲しい」と思っている。それぞれが正しいのですが、三者の「採用」が同じものを指していない。この認識のズレが、採用戦略の不整合の根本原因になっていることが少なくありません。


米国の採用 120年史 — 日本より先にある風景

日本の採用手法を正しく理解するためには、米国の変遷を先に見ておくのが有効です。多くの採用手法は米国で生まれ、5〜15年の時差をもって日本に導入されてきたからです。

非公式採用とエグゼクティブサーチの誕生(1900年代〜1940年代)

1900年代初頭の米国では、採用は内部昇進と縁故・口コミが中心でした。1893年にFred Winslowがニューヨークで最初期の私設職業紹介所を開業し、1926年にはThorndike Deland Sr.がリテーナー型エグゼクティブ・サーチを確立しています。富裕層・経営層向けの「ヘッドハンティング」は、実は100年前から存在していた手法です。

企業人事部門の標準化と公民権法(1950〜1970年代)

第二次世界大戦後、大企業の社内人事部門が成立し、採用が「職能」として認識されるようになりました。転機となったのが1964年の公民権法(Civil Rights Act)です。EEO(雇用機会均等)規制が採用プロセスに組み込まれ、面接・選考の標準化が進みました。「なぜこの人を不採用にしたのか」を説明できる構造化された選考が求められるようになったのは、差別訴訟への対応がきっかけです。日本では2020年代になってようやく「構造化面接」が注目され始めていますが、米国では半世紀以上の蓄積があります。

オンライン求人の登場とATS普及(1990年代後半)

1994年、世界初の本格的なオンライン求人ボードがマサチューセッツ州で誕生しました(1999年にMonster.comに改称)。インターネットが採用を変えた最初の瞬間です。同時期にATS(Applicant Tracking System)が普及し、企業の採用管理がデジタル化されていきます。日本で求人サイトが本格化したのは1990年代後半でほぼ同時期ですが、ATSの本格普及には約10年の差がありました。

ダイレクトソーシングとリファラルの台頭(2003〜2010年代)

2003年、米国でプロフェッショナル向けSNSが誕生し、企業が「転職潜在層(Passive Candidate)」に直接アプローチできるようになりました。それまで人材紹介会社を介さなければ接触できなかった層に、企業が自らリーチできる。ダイレクトリクルーティングの始まりです。

2010年代後半には機械学習を組み込んだスカウト・スクリーニングが標準化。同時に、リファラル採用が全体採用の30%超を占めるデータも報告されています(Yello, 14百万応募者の分析)。「社員の紹介が最も質の高い採用チャネルである」という認識は、米国ではすでに定量的に実証されている段階です。

AI・生成AIと規制の時代(2020年代〜)

SHRMの2025年Talent Trends調査(n=2,040)によると、HR業務でAIを使う米国企業は2024年の26%から2025年の43%へ急増し、うち51%が採用業務で使用しています。

同時に規制も動き始めました。ニューヨーク市は2023年7月にLocal Law 144を施行し、AI採用ツール(AEDT)に対する年次バイアス監査と候補者への事前通知を義務化。EU AI Act(2024年8月発効)は採用・選考用AIを「ハイリスク」に分類し、2026年8月から本格適用されます。違反時の罰金は最大3,500万ユーロまたは世界年商の7%。AI採用の「導入は速いが、ガバナンスは追いついていない」段階にあるのは、日米ともに共通しています。


日本の採用 100年史 — 5つの転換点

採用手法を正しく選ぶためには、今自分たちがどの時代にいるのかを理解する必要があります。日本の採用は、約100年の間に5つの大きな転換点を経験してきました。

第1期:縁故と推薦の時代(〜1960年代)

戦前から高度経済成長期にかけて、採用の主流は縁故と推薦でした。大学教授の推薦状、取引先からの紹介、地域の有力者を通じた斡旋。企業が求めていたのは「特定のスキル」ではなく、「信頼できる筋からの人材」でした。

この時代、日本独自の「新卒一括採用」の原型が形成されます。民間企業での一括採用が本格化したのは1920年前後です。1918年の「大学令」公布で大学生数が急増する一方、第一次世界大戦後の不況で買い手市場となり、企業が一括して選考する慣行が生まれました。社会学者の小熊英二(慶應義塾大学)は『日本社会のしくみ』(2019年)で、新卒一括採用の起源を明治・大正期に求め、戦後の高度経済成長期に制度として完成したと整理しています。1928年には政府主導で「就職協定」の原型が結ばれ、1953年に正式な就職協定が制度化されました。

終身雇用・年功序列・企業別組合という「日本型雇用システム」が確立されたのもこの時期です。James Abegglen が1958年に著した The Japanese Factory で、このシステムを世界に紹介しました。労働政策研究・研修機構(JILPT)の濱口桂一郎が後に「メンバーシップ型」と名づけたこの構造のもとでは、採用は「一生の関係の入口」であり、慎重に、しかし一度決めたら変えない — そうした前提が共有されていた時代です。

第2期:求人広告と新卒一括採用の確立(1960〜1990年代)

高度経済成長期に入ると、大量の労働力が必要になり、縁故だけでは人員を確保できなくなりました。ここで登場したのが求人広告です。

1960年代に求人情報誌の事業が始まり、1970年代には就職情報誌が大学生の就職活動のインフラになりました。企業と求職者を「メディア」でつなぐという発想は、当時としては画期的でした。米国では1893年にすでに私設職業紹介所が存在していましたが、メディアを通じた大量採用という点では日米ほぼ同時期の展開です。

この時期に新卒一括採用は完全に制度化されます。経団連(当時の日経連)が就職協定で「採用解禁日」を定め、全企業が同じタイムラインで採用活動を行う — この「一斉スタート・一斉ゴール」のシステムが日本の採用文化の基盤となりました。

中途採用はこの時代、まだ「傍流」です。終身雇用が前提の社会では、「途中で入ってくる人」はそもそも例外であり、企業も求職者もそれを異質なものとして扱っていました。

第3期:人材紹介と転職市場の形成(1990〜2010年代)

1990年代のバブル崩壊と、それに続く「失われた20年」が、日本の採用を根本から変えました。

終身雇用の前提が崩れ、企業はリストラと同時に即戦力の中途採用を必要とするようになりました。ここで人材紹介会社(エージェント)の市場が急拡大します。1997年の職業安定法施行規則改正でホワイトカラー職種の取り扱いが解禁され、1999年の改正職業安定法で民間の職業紹介事業が原則自由化。参入障壁が大幅に下がり、「転職はエージェントを通じて行うもの」という新しい常識が形成されました。企業にとっては「費用は高いが、スクリーニングを外部に委託できる」という価値提案です。

同時期、インターネットの普及により求人サイトが登場し、求人広告のデジタル化が進みました。米国では1994年にオンライン求人ボードが誕生しており、日本は1990年代後半にほぼ追いついた形です。採用活動は紙からWebへと移行し、応募数は一気に増大。しかし、応募数の増大は同時に「スクリーニングコストの増大」を意味しました。大量の応募の中から自社に合う人材をどう見極めるか — この問いが、次の時代の手法を生む種になります。

第4期:ダイレクトリクルーティングと採用ブランディング(2010年代〜)

2010年代に入ると、プル型(求人掲載・エージェント依頼)からプッシュ型(企業が候補者に直接接触)への構造転換が始まりました。

2009年頃から日本でも「ダイレクトリクルーティング」の概念が提唱され、企業が候補者データベースを直接検索し、一人ひとりにスカウトメールを送るモデルが広がり始めました。人材紹介会社を介さず、企業が「自ら採りに行く」モデルです。ただし、米国でダイレクトソーシングが始まったのは2003年であり、日本での本格普及は2015年以降。約10年の時差があります。この遅延はテクノロジーの問題ではなく、メンバーシップ型雇用のもとでは「企業が個人を直接スカウトする」という行為自体が文化的に馴染みにくかったことが大きいと考えています。

同時期、採用ブランディングの概念も浸透し始めます。採用市場が「売り手市場」に転じた2010年代後半、企業は「選ばれる側」としての発信力を問われるようになりました。採用オウンドメディア、社員インタビュー動画、SNSでの発信 — 「自社の魅力を、自分たちの言葉で語る」ことが採用活動の一部になった時代です。

リファラル採用の制度化もこの時期に進みます。TalentXの調査によれば、大手企業の約54%がリファラル採用を導入済みです。社員の個人的なネットワークを採用チャネルとして活用する手法は、ダイレクトリクルーティングと同じプッシュ型の採用手法として位置づけられます。

<!-- → 詳細は「リファラル採用完全ガイド」「ダイレクトリクルーティングとは」「採用ブランディングとは」をご覧ください。 -->

第5期:AI・データドリブン・人的資本経営の時代(2020年代〜)

現在進行中の転換です。3つの構造変化が同時に進んでいます。

第一に、AI技術の選考プロセスへの浸透。 AI面接、AI書類選考、AIによるスカウト文面の自動生成。マイナビ「企業人材ニーズ調査2024年版」(2025年4月公表)によれば、新卒採用担当者の約5割がAIを採用活動に取り入れています。米国ではSHRMの2025年調査でHR業務のAI使用率が43%、うち51%が採用業務で使用と報告されており、日米ともに「導入は急速だが活用は浅い」段階にあります。ただし規制面では大きな差があり、米国NYC Local Law 144(2023年施行)やEU AI Act(2026年8月本格適用)のような採用AI個別法は、日本にはまだ存在しません。

第二に、人的資本経営の制度化。 2023年1月の「企業内容等の開示に関する内閣府令」改正により、2023年3月期決算以降、有価証券報告書を発行する大手企業約4,000社に人的資本の開示が義務化されました。内閣官房「人的資本可視化指針」が示す7分野19項目が実質的なベンチマークです。2026年3月期にはさらに拡充され、「企業戦略と関連付けた人材戦略」の開示が求められるようになりました。採用は、従来の「人事部門のオペレーション」から「投資家が注視する経営指標」へと位置づけを変えています。

第三に、「日本型雇用」の構造的な転換。 2018年10月、経団連は「2021年度以降入社対象の採用選考に関する指針を策定しない」と発表しました。翌2019年4月、経団連と大学側による産学協議会は「新卒一括採用(メンバーシップ型採用)に加え、ジョブ型雇用を念頭においた採用も含め、複線的で多様な採用形態に、秩序をもって移行すべき」と提言しています。「新卒か中途か」「正社員かそれ以外か」という二項対立は融解しつつあり、採用のあり方そのものが再定義される局面にあります。

<!-- → 詳細は「AI面接とは」「人的資本開示と採用」「ジョブ型雇用とは」をご覧ください。 -->

実践者としての補足: この5つの時期を眺めて気づくのは、採用手法の進化は常に「経済構造の変化」に駆動されている、ということです。縁故が通用したのは人員の「充足」が最優先だったから。人材紹介が台頭したのは終身雇用が崩壊して「即戦力」が必要になったから。ダイレクトリクルーティングが普及したのは労働市場が「売り手市場」に転じたから。つまり、自社の採用手法を選ぶ際に最初に問うべきは「この手法のメリットは何か」ではなく、「自社が置かれている経済環境・市場環境に照らして、何が最適か」です。手法ありきではなく、環境ありき。これは後述する採用チャネルミックスの設計思想にも直結します。

日米比較で見えてくること

同じ手法の日米での普及時期を並べると、構造が見えてきます。

オンライン求人ボードは日米ほぼ同時(1990年代後半)。ATSの本格普及は米国が2000年代前半、日本は2010年代前半で約10年の差。ダイレクトリクルーティングは米国2003年、日本2009年提唱・2015年以降本格化で5〜10年の差。エンプロイヤーブランディングは米国2000年代後半、日本2015年以降で約7〜10年の差。AI採用は米国2017〜2020年、日本2022〜2025年で約5年の差。

ただし、この「遅れ」を単純に批判するのは正確ではありません。濱口桂一郎(JILPT)が指摘するように、日本のメンバーシップ型雇用には固有の合理性があり、ジョブ型が万能というわけではない。大事なのは「米国に追いつく」ことではなく、「自社にとって最適な手法の組み合わせを、日本の構造的制約を踏まえた上で設計する」ことです。

手法US 導入JP 導入時差
オンライン求人ボード19941990年代後半ほぼ同時
ATS の本格普及2000年代前半2010年代前半約10年
ダイレクトソーシング20032015年以降10〜12年
エンプロイヤーブランディング2000年代後半2015年以降7〜10年
AI 採用2017〜20202022〜2025約5年
AI 採用への個別規制2023(NYC)未制定
図 日米採用手法の時系列比較 ── 同じ手法でも導入に5〜15年の差がある

新卒採用と中途採用 — 日本固有の二項対立と、その変容

日本の採用を理解する上で、新卒採用と中途採用の区分は避けて通れません。この二項対立は日本固有のものであり、世界的に見れば極めて特殊な構造です。

新卒採用とは — 制度の起源と、その合理性

新卒採用とは、主に大学・大学院を卒業する学生を対象に、毎年一定の時期に一括して選考・採用する制度です。

前述の通り、その起源は明治期にまで遡りますが、現在の形が確立されたのは高度経済成長期です。均質な労働力を大量に確保し、自社の文化・業務知識を入社後に教育する — 濱口桂一郎が「メンバーシップ型雇用」と名づけた(『ジョブ型雇用社会とは何か』岩波新書, 2021年)このモデルにおいて、新卒一括採用は合理的な仕組みでした。Ronald Dore(1973年 British Factory–Japanese Factory)はこの構造を英国との比較で分析し、「入社後の教育を前提とした採用」が日本固有の合理性を持つことを示しています。

ただし、その合理性は「前提条件」に依存しています。事業が安定的に成長すること。入社後に長期間かけて育成する余裕があること。そして、人材がその企業に長く留まること。これらの前提が崩れた現在、新卒一括採用の制度そのものに対する再検討が進んでいます。

<!-- → 詳細は「新卒採用とは — 制度・メリット・これからの設計」をご覧ください。 -->

中途採用とは — 「例外」から「主流」へ

中途採用とは、就業経験のある人材を対象に、特定のポジションや役割に合わせて選考・採用するプロセスです。キャリア採用、経験者採用とも呼ばれ、近年は「中途」という語のネガティブなニュアンスを避けて「キャリア採用」に呼称を変更する企業も増えています。

リクルートワークス研究所「中途採用実態調査」(2026年2月公表)によれば、2026年度の中途採用が前年より「増える」と回答した企業は19.7%、「減る」は5.9%で、中途採用D.I.(増減の差)は5年連続のプラスです。かつての「傍流」は、もはや採用の「主流」になりつつあります。

この変化の背景には、ジョブ型雇用への移行があります。「このポジションに、このスキルを持った人材が必要」という採用の発想は、本質的に中途採用(ジョブ型)のものです。新卒一括採用が「人を採ってから役割を決める」のに対し、中途採用は「役割を決めてから人を探す」。この順序の違いが、採用手法の選択にも影響を与えます。

<!-- → 詳細は「中途採用とは — 定義・手法・キャリア採用との違い」をご覧ください。 -->

二項対立はなぜ融解しつつあるのか

日本の採用を「新卒 or 中途」で分けること自体が、徐々に意味を失いつつあります。

前述の通り、経団連は2018年10月に就活ルールの策定を放棄し、2019年4月の産学協議会で「複線的で多様な採用形態」への移行を提言しました。ただし、経団連の中西宏明会長(当時)は同日の英語声明で「universities and Keidanren have not agreed to shift to year-round recruitment」と述べており、メディアが報じた「通年採用拡大で合意」とは温度差があります。「通年採用に移行する」のではなく「複線化を進める」という表現が正確です。

第二新卒(卒業後3年以内程度の若手人材)という概念は、新卒と中途の境界を曖昧にするものです。さらに、ジョブ型雇用の浸透は「入社時期」よりも「職務適合性」を重視する方向に採用全体を動かしています。

Cappelli(2012年)は Why Good People Can't Get Jobs の中で、「就業経験のない若者を一括で採り、社内で育てる」モデルの限界を指摘しています。教育コストの高さ、環境変化への適応の遅さ、そして何よりも「育てた人材が社外に流出するリスク」。この指摘は、日本の新卒一括採用にもそのまま当てはまります。

実践者としての補足: とはいえ、新卒一括採用が「終わった」とは考えていません。特に大手企業にとって、毎年一定数の「白紙の状態」の人材を迎え入れることには、組織のカルチャーを維持・更新するという固有の意味があります。問題は「新卒か中途か」の二者択一ではなく、「自社の事業戦略に照らして、どのような人材を、どのチャネルで、どの時期に採用するのが最適か」というポートフォリオの問いに変換することです。


採用手法の全体マップ — 10の手法を構造で理解する

現在、日本企業が利用可能な主要な採用手法は10種類以上あります。しかし、これらを単に「一覧」として並べても意味がありません。手法同士の関係性と、それぞれの構造的な特性を理解することが、正しい選択の前提です。

ここでは、2つの軸で整理します。

軸①:プル型かプッシュ型か。 候補者から応募が来るのを待つ(プル型)のか、企業側から候補者にアプローチする(プッシュ型)のか。

軸②:「自社完結」か「外部委託」か。 採用プロセスを自社内で完結させるのか、外部のパートナーに一部または全部を委託するのか。

自社完結
自社 × プル型
  • 求人媒体・求人サイト
  • 採用オウンドメディア
  • 逆求人プラットフォーム
自社 × プッシュ型
  • ダイレクトリクルーティング
  • リファラル採用
  • アルムナイ採用
  • タレントプール構築
外部委託 × プル型
  • 人材紹介(エージェント)
外部委託 × プッシュ型
  • ヘッドハンティング・エグゼクティブサーチ
  • 採用代行 / RPO
外部委託
プル型プッシュ型
図 採用手法マトリクス ──「プル/プッシュ」×「自社/外部」の4象限

プル型 — 応募を集めるモデル

求人媒体(求人サイト・求人広告) 掲載型の求人プラットフォーム全般。広くリーチできるが、応募の質をコントロールしにくい。大量採用には向くが、ハイクラス・専門職には不向きなケースが多い。

採用オウンドメディア 自社サイト内の採用ページ、社員インタビュー記事、採用ブログなど。応募の質は高くなりやすいが、メディアとしての認知を獲得するまでに時間がかかる。採用ブランディングとの相乗効果が大きい。

逆求人(スカウト型プラットフォーム・候補者側) 候補者がプロフィールを登録し、企業からのスカウトを受け取る形式。候補者視点ではプル型だが、企業視点ではプッシュ型に分類される。

<!-- → 「採用ブランディングとは」「採用オウンドメディアの設計」 -->

プッシュ型 — 企業からアプローチするモデル

ダイレクトリクルーティング 候補者データベースから企業が直接スカウトする手法。「欲しい人材を、自分で探し、自分で口説く」モデル。米国では2003年から普及し、日本では2009年に提唱、2015年以降に本格化。求人媒体や人材紹介とは根本的に発想が異なります。

リファラル採用(社員紹介採用) 自社の社員が友人・知人を紹介する手法。紹介者の信頼が「フィルタ」として機能するため、カルチャーフィットの高い人材が集まりやすい。一方、同質化のリスクがあり、制度設計と運用の精度が成否を分けます。

ヘッドハンティング / エグゼクティブサーチ 経営幹部やCXOクラスなど、転職市場に出てこない層(いわゆる「転職潜在層」)に対して、専門のサーチファームが個別にアプローチする手法。候補者の同意を得た上で、リテーナー(着手金)型で契約するケースが多い。

アルムナイ採用(出戻り採用) 自社を退職した元社員を再び採用する手法。自社の文化・業務を理解しているため、オンボーディングコストが低い。近年、アルムナイネットワークを制度として構築する企業が増えています。

タレントプール構築 現時点では採用に至らなかった候補者を、将来のポジション発生に備えてデータベース化しておく手法。ダイレクトリクルーティングやリファラルと組み合わせて、長期的な候補者パイプラインを構築します。

<!-- → 「ダイレクトリクルーティングとは」「リファラル採用完全ガイド」「ヘッドハンティングとは」「アルムナイ採用とは」「タレントプール構築の方法論」 -->

「外部委託」— プロセスを任せるモデル

人材紹介(エージェント) 成功報酬型(年収の30-35%が相場)で、候補者のスクリーニングから面接設定までを外部に委託するモデル。費用は高いが、採用担当者の工数を大幅に削減できます。

採用代行 / RPO(Recruitment Process Outsourcing) 採用プロセスの一部または全部を外部のパートナーに委託するモデル。母集団形成、スクリーニング、面接日程調整、オファーレター作成など。自社の採用チームだけではスケールしない場面で有効です。

<!-- → 「採用代行/RPOとは」 -->

「選考設計」— どう見極めるかのモデル

カジュアル面談 正式な選考の前に、候補者と企業が相互理解を目的として行う非公式な面談。選考とは異なり、合否判定を行わないことが前提です。候補者の応募意欲を高める効果が大きい。

構造化面接 / コンピテンシー面接 事前に設計された質問項目と評価基準に基づいて行う面接手法。面接官の主観によるバラつきを減らし、選考の公正性と精度を高めます。米国では1964年の公民権法以降、半世紀以上にわたって標準化が進んできた領域です。

AI面接 AIが候補者の回答内容、表情、音声などを分析して評価する面接手法。導入企業が増えている一方で、評価の妥当性や候補者体験に関する議論も活発です。

<!-- → 「カジュアル面談の設計」「構造化面接とは」「AI面接とは」 -->

実践者としての補足: この10の手法を見て、「多すぎてどれを選べばいいかわからない」と感じるのは自然なことです。実際、私たちがクライアント企業から最も多く受ける質問の一つが「うちにはどの手法が合っていますか?」です。結論を言えば、「最強の手法」は存在しません。あるのは「自社の事業フェーズ・採用対象・予算に照らして、最適な組み合わせ」だけです。次章でその設計思想を整理します。


採用手法の選び方 — チャネルミックスの設計思想

採用手法は単独で機能させるものではなく、複数を組み合わせて設計するものです。マーケティングにおける「メディアミックス」と同じ発想です。ここではその設計思想を3つの視点で整理します。

視点①:企業フェーズで使い分ける

立ち上げ期(〜50人)、成長期(50〜500人)、成熟期(500人〜)では、有効な手法が異なります。

立ち上げ期では、採用ブランドも予算もない段階です。リファラル採用と創業者自身のネットワークが実質的に唯一のチャネルになることが多い。逆に言えば、この段階でリファラルが機能しない企業は、経営の方向性そのものを見直す必要があるかもしれません。

成長期では、リファラルだけでは量も多様性も確保できなくなります。ダイレクトリクルーティングと人材紹介の併用が一般的ですが、ここで「どのチャネルに何%の予算を配分するか」を意図的に設計しているかどうかが、採用効率に大きな差を生みます。

成熟期では、採用チャネルの統合的な管理が不可欠です。「リファラルは年間採用の何%を目標とするか」「どの職種でダイレクトリクルーティングを重視するか」「エグゼクティブ採用はサーチファームを使うか」 — 明確な設計判断が求められます。

視点②:採用対象で使い分ける

同じ企業でも、採用する人材のレベルや職種によって最適な手法は異なります。

新卒の母集団形成には求人媒体と採用ブランディング。営業職の中途採用にはリファラルと人材紹介。エンジニア採用にはダイレクトリクルーティング。CXO・経営幹部にはエグゼクティブサーチ。一つの手法であらゆる採用ニーズをカバーしようとすること自体が、構造的に無理のある発想です。

視点③:短期と長期で使い分ける

採用手法には「今すぐ結果が出る手法」と「時間はかかるが資産になる手法」があります。

人材紹介は即効性が高い一方、毎回コストが発生し、自社に採用ノウハウが蓄積されにくい。逆に、採用ブランディングやタレントプールの構築は短期的な成果は見えにくいが、長期的には「採用コストの構造的な低下」と「候補者の質の向上」をもたらします。

この短期/長期のバランスをどう取るかは、経営戦略と表裏一体です。「今期の採用枠を確実に埋める」ことと「3年後の採用力を構造的に高める」ことは、しばしばトレードオフの関係にあります。

判断のポイント重視する手法の例
企業フェーズ立ち上げ(〜50)/成長(50〜500)/成熟(500〜)リファラル → ダイレクト+紹介 → 統合管理
採用対象新卒一括 / ハイクラス中途 / エンジニア / エグゼクティブ媒体+ブランド / リファラル+紹介 / DR / サーチ
時間軸即効性が必要 / 中期的に効く / 長期で資産化人材紹介 / DR / 採用ブランド・タレントプール
図 採用チャネルミックスの設計フレームワーク ── フェーズ × 対象 × 時間軸
<!-- → 「採用戦略の立て方」「採用KPIの設計方法」 -->

採用はどこへ向かうのか — 3つの構造変化

最後に、採用がこれからどう変わるのかについて、私たちが注視している3つの構造変化を共有します。

変化①:AI選考の浸透と、「人間が見極める」ことの再定義

AI面接やAI書類選考の導入は加速しています。前述の通り、米国ではSHRMの調査で採用担当者の51%がAIを使用、日本でもマイナビの調査で新卒採用担当者の約5割がAIを取り入れています。

しかし、私たちの関心は「AIが選考に使えるか」よりも、「AIの導入によって、人間が見極めるべきことは何に変わるのか」にあります。AIがスキルの客観的な測定を担い、人間が「この人は組織にどんな変化をもたらすか」「この人と一緒に何を実現できるか」を見極める。こうした役割分担が進めば、面接の場は「スクリーニング」から「対話」へと性質が変わっていくはずです。

注目すべきは規制の動きです。米国NYC Local Law 144(2023年施行)はAI採用ツールに年次バイアス監査を義務づけ、EU AI Actは採用用AIを「ハイリスク」に分類して2026年8月から本格適用します。違反時の罰金は最大3,500万ユーロまたは世界年商の7%。日本にはこれに相当する個別法はまだ存在しませんが、Raghavan et al.(2020年、ACM FAccT)がAI採用ツールのバイアス問題を体系的に整理しているように、技術的な解決だけでは不十分です。人的資本開示の流れで「採用プロセスの公平性」が投資家評価の対象になりつつある以上、先回りして社内ガイドラインを整備しておくのが合理的です。

<!-- → 「AI面接とは — 企業側の導入判断と選考設計への影響」 -->

変化②:人的資本経営と採用の接続

人的資本経営における採用の位置づけが明確に変わりつつあります。

2023年の有価証券報告書での人的資本開示義務化、そして2026年の拡充により、「誰を、なぜ採用するのか」は投資家が注視する情報になりました。採用KPIは社内の管理指標から、ステークホルダーへの説明責任を伴う経営指標へと格上げされています。

この変化が意味するのは、採用部門が「事業戦略との接続」を従来以上に求められるということです。「この事業戦略を実現するために、どのような人材を、いつまでに、どのチャネルで獲得するか」 — この問いに構造的に答えられる企業とそうでない企業で、人的資本の評価に大きな差が生まれることになります。

<!-- → 「人的資本経営とは」「人的資本開示と採用」 -->

変化③:「採用」から「タレントアクイジション」へ — 概念の拡張

前述の通り、採用を「欠員の補充」ではなく「事業に必要な人的資本の獲得」として捉え直す動きが広がっています。

この概念の拡張が進むと、採用活動の時間軸も変わります。「ポジションが空いてから探す」のではなく、「将来必要になる人材を、今から見つけ、関係を築いておく」。タレントプールの構築やアルムナイネットワークの運営は、この発想に基づくものです。

CHRO(Chief Human Resources Officer)やHRBPの役割が注目されているのも、この文脈です。採用を含む人事機能が経営の一部として組み込まれるとき、人事の責任者には事業戦略の理解と、それを人材戦略に翻訳する能力が求められます。

<!-- → 「CHROとは — 役割と、採用責任者に求められる視座」「HRBPとは」 -->

自社はどのフェーズにいるか — 採用の成熟度診断

ここまで採用の歴史と手法を整理してきました。ここからは「では、自社は今どこにいるのか」を考えるための枠組みを紹介します。

Bersin by Deloitteが2014年に公表し、2018年に改訂した「Talent Acquisition Maturity Model」は、採用機能の成熟度を4段階で整理したフレームワークです。グローバルで最も広く参照されている成熟度モデルであり、自社のフェーズを診断する起点として有用です。

Level 1:リアクティブ型(調査企業の35%)

求人が発生してから動く。求人を出して応募を待つ「Post and Pray(出して祈る)」型。KPIは応募数のみ。採用所要日数(Time-to-fill)も正確にはトラッキングしていない。

日本の文脈では、新卒一括採用だけを行い、中途採用は「必要になったらエージェントに依頼する」企業がこのレベルにあたります。「常にポジションが空いている」「採用が追いつかない」「辞めた人の穴埋めが採用の主な動機」が常態化している場合、ここに該当する可能性が高い。

Level 2:標準化型(同29%)

ATSが導入され、Time-to-fill(採用所要日数)やCost-per-hire(採用単価)をトラッキングしている。採用プロセスが標準化され、ジョブディスクリプションやペルソナの型がある。一方で、採用チームは人事部門の一機能にとどまっており、事業部門との連携は限定的。

Level 3:戦略型(同23%)

タレントパイプラインを能動的に構築している。リファラル、アルムナイ、ダイバーシティ採用を体系的にプログラム化。候補者体験の品質(NPS等)も測定。リファラル経由採用率が30%以上。採用チームが事業部門と定期的に対話し、将来の人材ニーズを先読みしている。

Level 4:最適化型(同13%)

採用がビジネス戦略のイネーブラー(実現手段)として位置づけられている。予測分析やAIによる候補者スコアリングを活用。Quality of Hire(採用の質)を中核KPIとして運用。採用が経営会議の議題に上がり、リクルーターが戦略パートナーとして機能している。

Bersinのデータによれば、Level 4の企業はLevel 1企業と比較してTA成果が2.6倍、収益が18%高く、利益率が30%高い傾向にあります。

フェーズを上げるべきタイミング

Level 1→2: 年間採用数が20名を超えた。または欠員補充以外の戦略的な採用案件が年間3件以上発生している。

Level 2→3: 採用ターゲットとなる人材の母集団が市場で枯渇傾向にある。Time-to-fillが60日を超えている。または、人材紹介会社への依存度が採用予算の50%を超えている。

Level 3→4: 採用が事業計画の実行上の制約条件になっている。人的資本開示の文脈で、採用の質に関する説明責任が求められるようになった。

Level 1調査企業の 35%

リアクティブ型

求人が発生してから動く。Post and Pray 型。KPI は応募数のみ。

Level 2調査企業の 29%

標準化型

ATS 導入、Time-to-fill / Cost-per-hire をトラッキング。事業部との連携は限定的。

Level 3調査企業の 23%

戦略型

タレントパイプライン構築。リファラル経由採用率30%超。候補者体験を測定。

Level 4調査企業の 13%

最適化型

ビジネス戦略のイネーブラー。Quality of Hire を中核 KPI に。経営会議の議題。

図 Bersin Talent Acquisition Maturity Model(4段階)── Level 4 企業は Level 1 比で TA 成果 2.6 倍、収益 18% 高、利益率 30% 高

実践者としての補足: 多くの日本企業は、今もLevel 1〜2の段階にあります。メンバーシップ型雇用の構造のもとでは、ATSが解決する問題(大量応募のスクリーニング)がそもそも発生しにくかった、という事情もあります。ただし、ジョブ型への移行が進むにつれて、採用の構造は米国型に近づいていきます。今のうちにLevel 2→3への移行を設計しておくことが、3年後の採用力に直結すると考えています。


結論 — 採用は経営の写し鏡である

本稿では、採用の定義から100年の変遷、10の手法の構造、そしてこれからの採用の方向性までを整理してきました。

最後に、私たちがたどり着いた一つの見方を共有します。

採用の質は、経営の質の反映です。

良い経営をしている企業には、良い人材が自然に集まる。採用ブランドは「作る」ものではなく、経営の結果として「にじみ出る」もの。リファラル採用が自然に機能する企業は、社員が「この会社を人に勧めたい」と思える経営をしている。逆に、どれだけ巧みな採用手法を駆使しても、経営そのものに問題があれば、入社した人材は定着しません。

ただし、「経営が良ければ採用は放っておいてもうまくいく」というほど単純でもありません。良い経営を「採用の成果」に変換するには、適切な手法の選択、チャネルミックスの設計、選考プロセスの品質管理、そして長期的な人材パイプラインの構築 — つまり、採用を「戦略」として設計する能力が必要です。

本稿で紹介した個別の手法は、それぞれ独立した記事で深掘りしています。自社の採用を見直す際の参考にしていただければ幸いです。


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私たちは、採用戦略の設計から採用ブランドの構築まで、多くの企業の採用に関わってきた中で一定の知見を蓄積してきました。ただ、それが御社にとってプラスに働くかどうかは、事業形態や経営戦略、採用のこれまでの経緯によります。実際にお話ししてみないと分からないことの方が多いです。

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この記事について

本稿は、iBECK代表・竹中淳人の実務経験に基づいて執筆しています。

前職にて8年半、採用責任者として年間応募者数を1万人から8.6万人に拡大。人事採用領域で日本1位を13回取得。世界5地域・60大学超での採用活動を経験。独立後12年間にわたり、人財戦略コンサルタントとして、従業員30名のベンチャーから約5万人規模の大手企業まで、採用ブランド設計・採用戦略立案を支援してきました。

本稿で述べた知見は、公開されている研究・統計データと、こうした現場経験から得た「知恵」の両方を組み合わせて整理したものです。


参考文献

  • Abegglen, James C. (1958) The Japanese Factory: Aspects of its Social Organization. Free Press — 日本型雇用システムを世界に紹介した古典的研究
  • Dore, Ronald (1973) British Factory–Japanese Factory: The Origins of National Diversity in Industrial Relations. University of California Press — メンバーシップ型雇用の比較制度分析
  • Michaels, Handfield-Jones & Axelrod (McKinsey) (2001) The War for Talent. Harvard Business School Press — 人材獲得競争の概念を提唱
  • Cappelli, Peter (2008) Talent on Demand: Managing Talent in an Age of Uncertainty. Harvard Business School Press — サプライチェーン原理の人材管理への応用
  • Cappelli, Peter (2012) Why Good People Can't Get Jobs. Wharton School Press — 「育てる採用」の限界を指摘
  • Sullivan, John "How to Hire the Next Michael Jordan" Fast Company — Quality of Hire中心の採用科学を提唱
  • Bersin by Deloitte (2014, 2018改訂) "High-Impact Talent Acquisition: Key Findings and Maturity Model" — TA成熟度4段階モデル。Level 4企業は収益18%高・利益率30%高
  • Raghavan, Barocas, Kleinberg & Levy (2020) "Mitigating Bias in Algorithmic Hiring" ACM FAccT — AI採用ツールのバイアス問題の体系的整理
  • 小熊英二 (2019) 『日本社会のしくみ — 雇用・教育・福祉の歴史社会学』講談社現代新書 — 新卒一括採用の起源を明治・大正期に求める
  • 濱口桂一郎 (2021) 『ジョブ型雇用社会とは何か — 正社員体制の矛盾と転機』岩波新書 — メンバーシップ型/ジョブ型の対比枠組みを提唱
  • 経団連「採用と大学教育の未来に関する産学協議会 中間とりまとめと共同提言」(2019年4月22日)
  • リクルートワークス研究所「中途採用実態調査(2026年度見通し、2025年度上半期実績 正規社員)」(2026年2月9日) — 中途採用D.I. 5年連続プラス
  • マイナビ「企業人材ニーズ調査2024年版」(2025年4月公表) — 新卒採用担当者の約5割がAIを採用活動に取り入れ
  • SHRM "2025 Talent Trends" (n=2,040, 2025年2月) — HR業務のAI使用率26%→43%、うち51%が採用業務
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